株式会社パル
取締役専務執行役員 兼 プロモーション推進部部長 兼 WEB事業推進室室長 兼 コミュニケーションデザイン室室長
堀田 覚 様
従来の LINE 配信と比べて購入率は 2.5倍、さらに友だち数も 1.9 倍に拡大。PAL CLOSET 様では、会員登録や ID 連携を求めずに利用できるワズアップ!の「 入荷お知らせ 」を活用し、店舗と通販の双方で機会ロスを可視化。その規模は毎月数億円にのぼり、非会員を含む顧客にも個別配信が可能になりました。
“ 登録の負担をかけずに、最適な情報を届ける ”という PAL 様が実現した CRM の新しい形は、従来施策の限界を突破し LINE 活用の未来を示しています。
まず現在、LINEで実施している施策について教えていただけますか?
「 お気に入り商品の値下げ、在庫変動、入荷お知らせの配信です。全体配信は大きなイベント時だけで、稀にしか配信しないので、ほぼパーソナライズした配信になりますね。あとはミニアプリの会員証となります 」
昨年、ワズアップ!の「 店舗 入荷お知らせ 」を導入いただきました。この機能は EC サイトの入荷お知らせのように、EC サイト上から店舗の在庫が売り切れていた場合に入荷リクエストができて、その店舗にリクエストした商品が入荷すると LINE でお知らせが配信されるという機能になります。まず導入の経緯からお聞きしてよろしいでしょうか?
「 EC で店舗の在庫を確認してお店にいく、というお客様はかなり多いのですが、店舗については売り切れていた場合の手立てがありませんでした。でも EC サイトの入荷お知らせの効果は高いので、店舗でも同じことを実現できれば成果がでると考えました。
あとは予約販売ですね。ECサイトで予約販売している商品を店舗で確認したいお客様はかなりいますが、そういうお客様のご要望にお応えする方法がありませんでした。でもワズアップ!の「 店舗 入荷お知らせ 」を導入すれば、ECサイトで予約中に各店舗のリクエストをとることができます。それによりお店にリクエストした商品が入荷するとLINEで入荷お知らせを配信できるので、予約販売の比率が高い弊社にとって、この改善は大きなポイントでした 」

商品ページから「 店舗在庫表示 」の画面に入ると、売り切れてる店舗には入荷お知らせのボタンが表示される。お客様は会員登録も ID 連携も不要でリクエスト可能になっており、実際にお店に商品が入荷するとLINEでお知らせが配信される
実際、スタートして成果はいかがでしょうか?
「 シーズンインのタイミングが予約商品も多くリクエストが集まりやすく、店舗の入荷リクエストだけで月数千万円 〜 数億円単位でのリクエストが入っています。全商品ではなく、在庫が店舗にない商品だけのリクエスト数になるので、当初の予想を大きく上回っています。
配信については、リクエストに対して7割程度配信できています。欠品のみではここまでの配信数にならないと思いますが、予約商品が店舗に初回入荷した際に配信できているので、これだけの割合になります。今後は配信後の購入数まで追えるようにしたいと考えています 」
会員登録や ID 連携せずともリクエストできるので、非会員の方にも個別に入荷お知らせを配信できるようになりました。次のステップとしては店舗での購入計測があると思いますが、他に考えていることはございますか?
「 取り置きですね。今は取り置き機能がないのですが、ワズアップ!で各店舗の入荷お知らせを配信できるようになったので、そこから取り置きの導線を設けることで『 入荷したので取り置きたい 』という自然なステップを作ることができ、お客様の購入体験がシームレスになると考えています 」
いきなり取り置きとなると、会員登録も必要で「 取り置き期間中に忙しくてもお店にいかなければならない 」「 取り置きしたからには ( なんとなく ) 買わねばならない 」というプレッシャーもあり、気軽に使えるものではありません。けれど、その前段階に入荷お知らせという選択肢があることで、お客様の「 試したい 」という段階の前にある「 気になる 」というタイミングからアプローチ可能になり、入荷リクエスト ( 気になる ) → 取り置き ( 試したい ) → 購入 ( 欲しい ) というお客様の心理状態に寄り添ったアプローチが実現しますね
「 はい、カタログ的にECサイトを利用している店舗利用のお客様に対して、どんどん便利なサービスになっていくと思います 」
各店舗のリクエスト数が可視化されたことで、追加生産や振り分けの最適化ができるようになっていくと思うのですが、MD 的な面ではいかがでしょうか?
「 各店舗にどれだけのニーズがあるか分かるようになったので、追加数の見極めや店舗配分の際に参考にできるデータが貯まってきています。今後はディストリビュートの部署にそのデータを簡単に見れるように整備して、リクエストデータを活用していくフェーズに入っていきます。MD としても配分の参考データが見れて、LINE で通知まで飛ぶというのはありがたいことですし、今後はそこから取り置きまで繋げていきたいと考えています 」
続いては今年の7月に導入いただいた「 通販 入荷お知らせ 」についてお聞きしたいのですが、こちらを導入いただいた経緯からお伺いできますか
「 シンプルに店舗の入荷お知らせで成果が出ていた点と、メールより見てもらえる LINE でも通販サイトの入荷お知らせを配信したいというのがありました 」
従来通りメールでの配信も実施しているかと思うのですが、メールとLINEの登録割合をお聞きできますか?
「 開始して2ヶ月経つのですが、最初は LINE での登録が 10% 代だったのですが、直近では 30% 近くまで上がっています 」
ECサイトでのリクエスト数や金額でいくとどれくらいの成果がでているでしょうか?
「 導入後まもないので、丸々運営できているのが閑散期でもある8月のみなのですが、それでも数億円のリクエストが入っており、数でも数万件のリクエストをいただいております 」
購入率でいくと、メールとどれくらい変わってきますか?
「 ワズアップ!の入荷通知は 5 %を超えています。メールも 4 %程度と高いのですが、それを超える成果がでています 」
これは別ツールだと思うのですが、商品をお気に入り登録した方に LINE で入荷お知らせの配信をされているかと思います。この「 お気に入り登録からの入荷お知らせ 」と「 入荷リクエストからの入荷お知らせ 」の購入率の違いについてはいかがでしょうか?入り口での成果の差というのが生まれるのかどうかが気になっておりまして
「 お気に入り登録からの入荷通知は 2 %程度なので、『 入荷お知らせ 』という入り口から入ったワズアップ!の方が 2.5倍くらい高い購入率になっています 」
LINE をリーチ目的ではなく、店舗や通販サイトでの購入を目的に使用する場合はクーポンなどで闇雲に友だちを増やしても、やがて配信コストが成果に見合わない使いづらいアカウントになってしまいます。ですのでワズアップ!は、入荷リクエストの際に一緒に友だちになっていただくことで「 自分に必要な情報を欲しがる友だち 」のみが集まる設計になっています。
これにより、ただの友だちではなく、今回のケースでいくと「 入荷お知らせを配信できる友だち 」という、なにかしらセグメント配信できる状態の友だちが自動的に増えていくという仕組みになっているのですが、導入後、友だち数の推移はどうでしょうか?
「 導入前と比べると1.9倍くらい伸びているので、友だち追加の効果も大きいと思います 」
最後に、LINE やメールやアプリなど CRM 全般で取り組んでいきたい施策はございますか?
「 お客さまがどのように購買までステップアップしていくのかに注目しています。例えば、今だと入荷お知らせに登録していただく、商品のお気に入り登録していただくなどがトリガーになっていると思うのですが、その手前の段階だったり、能動的に登録してくれる方以外に対しても、パーソナライズできる方法を探しています 」
まさに御社が際たる例だと思いますが、登録してくれた方へのアプローチはあの手この手で色々と進んでおり、ある程度やり尽くしている部分もあると思います。我々も非会員の方やわざわざ登録しない方に対する個別アプローチはまだまだ未開拓であり、今後より一層重要になると考えており、色々と仕込んでいますのでまたご提案させていただけたら幸いです。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。