はじめに
Shopify で EC を運営していて、LINE 連携アプリを入れた。カゴ落ちの自動配信も組んだ。それなのに配信数が思ったより伸びず、売上へのインパクトも小さい——。
この相談を受けたとき、私たちがまず確認するのは配信の中身ではありません。そもそも何人が配信の対象になっているかです。そして対象者数は、次の 2 つの条件で決まります。
条件① どの段階の離脱を取得しているか。カートに入れた段階なのか、チェックアウトまで進んだ段階なのか。使っているトリガーやアプリによって変わります。
条件② その行動と、LINE の送信先を対応づけられるか。離脱を検知できても、そのお客様の宛先が分からなければ、配信はできません。
この記事では、Shopify と LINE の連携でできることを整理したうえで、この 2 つの条件を順に見ていきます。そのうえで、EC の会員登録やお客様自身による ID 連携の操作を求めずに、対象を広げる方法を紹介します。
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Shopify と LINE の連携は、大きく 3 つに分かれます。それぞれ別の仕組みで、必要な準備も違います。
Shopify の顧客データと LINE アカウントを紐づける仕組みです。お客様に必要な操作は、利用するアプリや連携方法によって異なります。多くの連携アプリの中心機能で、これによって購買履歴や会員ランクを使った配信が組めるようになります。一方で、この紐づけを前提にしたアプリでは、未連携のお客様は個別配信の対象になりません。
Shopify Flow は、購入完了・発送・在庫わずか・離脱といった出来事をきっかけに処理を自動化する Shopify の公式アプリです。LINE 連携アプリと組み合わせると、これらのタイミングでメッセージを自動送信できます。どの出来事を拾えるかは、選んだトリガー次第です( 次章 )。
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Shopify Flow には、離脱に関するトリガーが複数あります。よく使われるのは次の 2 つで、拾える範囲が異なります。
Customer abandons checkout は、お客様がチェックアウトまで進んだうえで離脱した場合を扱います。「 チェックアウトに到達してから 10 時間後にメールを送る 」といったテンプレートが用意されています。
このトリガーだけを使う設定では、チェックアウトに進む前に離脱したお客様は対象外になります。カゴ落ち率の平均は約 70%( Baymard Institute が 2006 年〜2025 年の調査 50 件を集計した値は 70.22% )で、その中にはチェックアウトに進む前に離れる方も含まれます。取りこぼしがどれくらいかは、自社の数字を見ないと分かりません。
一方、Customer left online store without making a purchase というトリガーもあります。公式のテンプレートには「 Recover abandoned cart 」があり、商品をカートに追加したもののチェックアウトへ進まなかったお客様にマーケティングメールを送る例が説明されています。
つまり「 Shopify ではカート段階の離脱を扱えない 」わけではありません。確認すべきは、いま使っているトリガーやアプリがどの段階まで対応しているかです。チェックアウト離脱だけを見ている設定なら、その手前の離脱は対象に入っていません。
なお、カートへの商品追加そのものは、Shopify が標準のイベントとして提供しています。取得できる仕組みは用意されている、という前提で考えて構いません。
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離脱を検知できても、それだけでは配信できません。そのお客様の LINE の宛先が分かって、はじめて 1 通になります。一般的には、EC 会員 ID と LINE ユーザー ID を紐づける ID 連携によって、これを満たします。
ただし大半の方は面倒な ID 連携を嫌いますので、配信分母が大きく減ってしまう要因となります。そこでワズアップ!では、お客様に面倒な会員登録や ID 連携操作を求めずに、カゴ落ちリマインドを配信することで、この分母の問題を解消しております。
LINE のカゴ落ちリマインドそのものの設計は カゴ落ちとは?平均カゴ落ち率と対策 7 選 で詳しく扱っています。
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Shopify の場合、標準的な構成であれば EC 側の開発を伴わずに導入できます。
カゴ落ちリマインドと閲覧商品リマインドは、Shopify 管理画面の設定で導入します。「 設定 」の中の「 お客様のイベント 」に、こちらが用意した設定を追加していただく形です。テーマの編集やチェックアウトの改修は通常必要ありません。
再入荷通知やお気に入り通知などは、対象のページにタグを設置していただきます。デザインの変更やデータベースの改修は通常発生しません。複数のアプリを組み合わせる必要もなく、ワズアップ!のみで完結します。
商品マスタは、管理画面での設定によって自動取得します。新商品が増えるたびに登録する、CSV を用意するといった運用は不要です。
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ID 連携を否定しているわけではありません。購買履歴や会員ランクを使った配信には、そのデータと送信先を対応づける仕組みが要り、EC 会員 ID との連携は有効な手段です。
考えどころは順番です。ID 連携を前提にすると、連携を済ませたお客様の人数が、そのまま個別配信の対象者数になります。友だち数や会員比率によっては、その人数が想定より小さくなることがあります。
まず会員登録や連携操作を求めない方式で配信できる対象を広げ、そのうえで購買データを使った配信が必要になった段階で ID 連携を併用する、この順番がオススメです。
EC 全体での施策の並べ方は EC の LINE 活用ガイド、配信対象の作り方は LINE セグメント配信( 絞り込み配信 )とは、ID 連携の仕組みは LINE ID 連携とは? を参照してください。
まとめ
配信対象は 2 つの条件で決まる。条件①はどの段階の離脱を取得しているか。チェックアウト離脱だけを対象にする設定では、その手前の離脱は入らない。Shopify にはカート段階の離脱を扱うトリガーもあるので、使っているトリガーやアプリの対応範囲を確認する。
条件②はその行動と LINE の送信先を対応づけられるか。 ID 連携を前提とするアプリでは、未連携のお客様は会員データに基づく個別配信の対象にならない。
ワズアップ!は、会員登録もお客様自身による ID 連携操作も求めずに、送信先を識別できたお客様のカート行動と対応づけて配信できる。
関連:カゴ落ちリマインドの導入事例( 10 社 )/ID 連携なしで配信を実現した事例/カゴ落ちとは?平均カゴ落ち率と対策 7 選
使うトリガーによって対象が変わります。チェックアウト離脱を扱う「 Customer abandons checkout 」だけを使う設定では、チェックアウトへ進む前に離脱したお客様は対象に入りません。一方 Shopify には「 Customer left online store without making a purchase 」というトリガーもあり、公式テンプレートではカートに商品を追加したもののチェックアウトへ進まなかったお客様を対象にする例が示されています。加えて、検知できたお客様に実際に LINE を送るには、その行動と送信先を対応づけられている必要があります。
標準的な構成であれば、カゴ落ちリマインドと閲覧商品リマインドは Shopify 管理画面の「 設定 」→「 お客様のイベント 」での設定によって導入でき、テーマの編集やチェックアウトの改修は通常必要ありません。再入荷通知などは対象ページへのタグ設置、商品マスタは管理画面の設定による自動取得です。ただしサイトの構成によっては追加の確認や対応が必要になる場合があるため、導入前に自社のテーマ構成をお伝えいただいたうえで確認させてください。